生前相談トラブル回避
結論から言うと、生前に葬儀社に相談しておく事は、いざという時に慌てない為にも、した方が良いでしょう。
問題点はありますが、家族間(故人も含めて)で、きちんと話し合えば、解決できるでしょう。
さて、上記で生前予約(事前相談)はした方が良いと述べましたが、何故良いのか?それは、もしもの時に、慌てず落ち着いて行動できるからです。だからと言って、全く慌てないのかと言うと、そうではなく、心にゆとりができるという事です。皆さんお気付きでしょうか?東京都内だけでも、600社以上の葬儀社が存在することを・・・。その中から葬儀を依頼する1社を、亡くなってから短期間で決定するのは容易な事ではありません。ただでさえ、身内の不幸でショックを受けている中で冷静な判断ができるとは、とても思えません。ここで、事前に葬儀社に相談をしている人と、そうでない人の≪心のゆとり≫に差が出ます。
前者は『とりあえず葬儀の事は、葬儀屋さんに相談してあるから安心』。
後者は『まず、どこの葬儀屋さんに話を聞こうか。いろいろなところの話を聞いてみないと…』と、葬儀社を選定するところから始めなければなりません。
葬儀というのは、ごく短期間ですべてを決めなければならず、生前に相談している人でさえ、慌ててしまうものです。大体、御臨終を迎えて葬儀(通夜)までの平均的な期間は2~4日と言われており、この短い時間ですべてを決めるのですから、皆さんの意向をすべて叶える事は難しいでしょう。葬儀社としてはできる限りのことはしますが、100%叶える事は、ほぼ不可能でしょう。
故人の意向・家族の意向・親戚の意向と、皆さんの故人を想う気持ちが【葬儀】をそれぞれの形に作り上げていくのに、思い通りの葬儀ができないのは、家族としても葬儀社としても残念なことです。そんな事にならない為にも、事前に葬儀社に相談しておく事は、皆さんの意向と故人の意向を、100%に近い形にする為に必要な事と言えるでしょう。
もう一点の利点は、葬儀の費用について大まかにでも、知っておくことができる点です。昔は、亡くなる前に葬儀の事を話すのは縁起が悪いと言われていましたが、今は早めに相談して費用の目途を立てておく方が増えています。この背景には、不景気と葬儀業界が不透明な業界だったことが挙げられます。事前に費用を準備する為にも、必要以上の経費をかけない為にも、前もって知っておく事は、マイナスではありません。
また、冒頭に問題点があると述べましたが、これは故人が一人で葬儀社へ相談していて、その内容を家族に伝えないケースです。これは、いざという時に故人の意向と、家族の意向が食い違ってしまうので、後々のお付き合いにも影響してきてしまいます。故人もそんな事は望んではいないし、家族も同じです。事前に相談したら、必ず家族の方と良く話し合って、葬儀の内容を知っておくのと共に、お互いの意向についても話し合っておく方がよいでしょう。できることなら、親戚の方とも話しておくことをお勧めします。何故かというと、地方によっては葬儀の方法が変わってくるからです。故人の遺志に沿って、家族の理解を得られても、親戚が話に参加した途端に方向が変わっていくケースがあるからです。先程も述べたように、今後のお付き合いもありますから、よく話し合って決めた方がよいでしょう。
『まだ大丈夫』は、何かがあった時には『どうしよう・・』に変わるのです。
今からでも遅くはありません。事前にご相談ください。