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葬儀に関連する法律

葬儀に関連する法律としては、「墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年五月三十一日 法律第四十八号)」(略して墓埋法)が代表として挙げられます。

この第一条に「この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。」とあり、墓地・埋葬・火葬についての規定が定められています。

しかし近年、葬儀の多様化に伴いこの法律の想定外にある問題が発生してきていますので、そのいくつかをご説明いたしましょう。

エンバーミングについて

エンバーミングとは、一言で言えば防腐処置です。遺体に薬品を注入して、腐敗しないよう処置を行います。また、事故死などで外傷が見られる場合にはその箇所を復元したりします。
主たる目的としては、ご遺体の変化を防ぎ安らかな状態でお別れをするために行いますが、感染予防の目的もあります。伝染病等にかかったまま亡くなった場合はもとより、人間は生きている間にも体に様々な菌を持っており、死亡することによって増殖して感染の危険性が高まります。エンバーミングを行うことによってその増殖を抑制することができます。

現在、日本国内においてエンバーミングを直接規制する法律はありません。しかし道徳的・公衆衛生的に節度を持って行われる必要があります。国内では「日本遺体衛生保全協会(略称・IFSA)」が一定の基準を設けており、その基準に沿って行われています。
いくつか例を挙げますと

1: 本人またはご家族の署名による同意に基づいて行うこと
2: IFSAに認定され、登録されている高度な技術能力を持った技術者によってのみ行われること
3: 処置に必要な血管の確保および体腔の防腐のために最小限の切開を行い、処置後に縫合・修復すること
4: 処置後のご遺体を保管するのは50日を限度とし、火葬または埋葬すること

などがあります。
このうち、特に留意すべきは4です。日本国内では一部の地域を除いて土葬が禁止されている場所が多いので、ほとんどの場合火葬することになります。
エンバーミングを施したご遺体は、技術的には数十年でも保存することができますが倫理的観点から好ましくありません。
また、一部分でも死体を保存する事は、医学的研究のためなど特別な許可を得た場合以外は死体解剖保存法で禁止されています。
IFSAでは50日以内に火葬(または埋葬)するという確約が取れない限り処置をお受けいたしません。

散骨について

政府見解で「葬送のための祭祀として節度をもって行われる限り遺骨遺棄罪に該当しない」と正式発表されています。
しかし陸上での散骨については、これが埋葬に当たるか判断の分かれる所です。「地上にある限りは埋蔵ではないが、その上に風で運ばれた砂埃や落ち葉等がかかれば埋蔵とみなすことができる」とする見解があり、これによれば墓埋法に定める「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」とした第四条により、墓地として認可を受けた場所以外での散骨はできないことになります。

その他一般の方が関係する可能性が高い法律

戸籍法

第86条 死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3箇月以内)に、これをしなければならない。
2 届書には、次の事項を記載し、診断書又は検案書を添附しなければならない。
 1.死亡の年月日時分及び場所
 2.その他法務省令で定める事項《改正》平11法1603 やむを得ない事由によって診断書又は検案書を得ることができないときは、死亡の事実を証すべき書面を以てこれに代えることができる。この場合には、届書に診断書又は検案書を得ることができない事由を記載しなければならない。

第87条 左の者は、その順序に従って、死亡の届出をしなければならない。但し、順序にかかわらず届出をすることができる。
第1同居の親族
第2その他の同居者
第3家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
2 死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人及び任意後見人も、これをすることができる。《改正》平19法035

第88条 死亡の届出は、死亡地でこれをすることができる。
2 死亡地が明らかでないときは死体が最初に発見された地で、汽車その他の交通機関の中で死亡があったときは死体をその交通機関から降ろした地で、航海日誌を備えない船舶の中で死亡があったときはその船舶が最初に入港した地で、死亡の届出をすることができる。

第89条 水難、火災その他の事変によって死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し、外国又は法務省令で定める地域で死亡があったときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。

軽犯罪法

第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
十八 自己の占有する場所内に、老幼、不具若しくは傷病のため扶助を必要とする者又は人の死体若しくは死胎のあることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかった者
十九 正当な理由がなくて変死体又は死胎の現場を変えた者

結びに

法律というのはそもそも、マナーやエチケット違反に罰則を付けて文章化したものです。
マナーやエチケットを守っていれば、必要のない法律はたくさんあります。

散骨に関して、節度をもって行われる限り罪にならないと述べましたが、水源地となっている土地に散骨を行って地域住民とトラブルになった事例があるように、法律に触れなくても他人に迷惑をかける行いはマナー違反であり憚られる行為であると言えます。
「法律に定められているか」より「誰かに迷惑をかけていないだろうか?」という事をよく考えるのが本当は大切ではないでしょうか。